日産・デイズルークス
デイズ ルークス("DAYZ ROOX")は、かつて日産自動車から販売されていた軽トールワゴン(軽スーパーハイトワゴン)である。NMKVが開発、三菱自動車工業が製造していた。
2013年6月6日に発表されたデイズシリーズの第二弾のハイトワゴンモデルであり、同年3月31日に販売終了した先代車種ルークスの2代目でもあるこのモデルは、同年3月25日に車名を、先代車種の「ルークス」の名を残した「デイズルークス」とすることが発表された。さらに同年10月3日にはエクステリアデザインが公開された。そして2014年2月13日に公式発表され、同日より販売を開始した。
このモデルは、デイズ同様、日産と三菱の合弁会社NMKVが日産と三菱両社向けに、デザインなどの両社の強みを生かして商品企画と開発を行ったものであり、三菱ではeKスペースとして同日より販売を開始した。
デイズに比べて全高が155mm高いスーパーハイトワゴンタイプで、先代車種のルークスよりも全高が30-40mm高く、ホイールベースも30mm拡大されており、室内高は27インチ自転車も積載可能な1,400mmを実現している。デイズにも採用されているアラウンドビューモニター、タッチパネル式オートエアコン、スーパーUVカット断熱グリーンガラス(フロントドア)を採用したほか、スライドドアにはインテリジェントキーを身に着けていれば両手がふさがっていてもドアに備わっているボタンを押すだけで開けられるリモコンオートスライドドアも採用した。その為、子育て中のファミリー層向けとしてでなく、子育てを終えたファミリー層がエルグランド等のミニバンやエクストレイル等のSUV、ステージア等のステーションワゴンからの乗り換えるユーザーもターゲットにしていた。
なお、取扱説明書などに記載される日産における社内型式は「BA0」であるが、実際の型式は三菱における「B21A」(eKスペースはB11A)で、デイズ同様製造事業者の名義も「三菱自動車工業株式会社」である。
エンジンにはデイズと同じく3B20型(「ハイウェイスター ターボ」は同型のインタークーラーターボエンジン)をトランスミッションにはエクストロニックCVT(eKスペースでのINVECS-III CVTに相当)を搭載する。
さらに、NA車には約9km/h以下の段階から自動でエンジンを停止させ、ガソリンの消費を抑えるアイドリングストップシステム(eKスペースでのコーストストップ機能付「オートストップ&ゴー(AS&G)」に相当)を搭載。さらに、減速時のエネルギーを利用して高出力のオルタネーターを回転させて発電し、効率よくニッケル水素電池に充電。充電した電力を電装品に供給することでガソリンの節約につなげるバッテリーアシストシステム(eKスペースでの「アシストバッテリー」に相当)も搭載された。このシステムには、パナソニックの「12V エネルギー回生システム」が採用されている。
NA車は日産が展開するエンジン進化型エコカー「PURE DRIVE(ピュアドライブ)」の車種となっていた為、リア右下に「PURE DRIVE」エンブレムが装着されていたが、2016年12月改良型では「PURE DRIVE」の車種から外れたため廃された。
エクステリアはデイズとやや異なるデザインとなっており、標準モデルはラジエーターグリルに高品質感があるメッキバーを備え、下端のメッキバーがヘッドランプとつながることでフロントマスクをワイドに見せ、先代のルークス ハイウェイスターに近いような顔立ちに。ハイウェイスターは安定感とエアロ感を表現するマッシブなバンパーデザインやエアロパーツを採用。メッキフロントグリルは大型化並びにクロームメッキ化され、2本目のバーをやや太めにしてヘッドランプと融合させることでワイド感を表現し、バイキセノンヘッドランプやメッキバーに沿ってレイアウトされたLEDポジショニングランプも備えており、高級ミニバンのエルグランドに近いような、個性的で厚みのある顔立ちになっている。いずれもクリアレンズを採用したリアコンビネーションランプ(ハイウェイスターはLED式)が装着されるが、eKスペースの標準車にはカラードテールランプが装着される。また、側面のスライドドア後部でキックアップされたウエストラインは、C25型セレナから始まったシュプールラインの考え方を適用したものである。これらは、共同開発車のeKスペースと共通性のあるデザインである。さらに、デイズ同様、オーテックジャパンの手によるカスタムカー「ライダー」も設定されており、フロントフェイスを専用デザインに変更し、15インチアルミホイールを採用することで、迫力のあるスタイルとなっている。
2016年12月のマイナーチェンジではフロントフェイスが刷新され、ラジエーターグリルのメッキバーを細くし、Vモーションをモチーフとしたワイドデザインのフロントグリルに。ハイウェイスターはC27型セレナやE12・2016年11月改良型ノートにも採用されているVモーショングリルと大開口バンパーを組み合わせたデザインのフロントグリルとなり、eKスペースと完全にデザインが差別化された。「ライダー」もフロントグリルやバンパーのデザインを変更し、新たにLEDバンパーイルミネーションやフォグランプを組み込んだ。マイナーチェンジに合わせて追加した「ボレロ」は、フロントグリルを大小の粒のドットデザインに変更してメッキ加飾を施し、フロントバンパーにメッキ加飾のフィニッシャーを追加。ベースの「X」ではメーカーオプションでも設定されないアルミホイールは専用デザインで標準装備されている。
構成はeKスペースと同様で、eKスペースに相当するノーマルタイプは「デイズ ルークス(DAYZ ROOX)」、eKスペース カスタムに相当するスポーティータイプは「デイズ ルークス ハイウェイスター(DAYZ ROOX Highway STAR)」となる。なお、デイズと3代目eKの場合同様、グレード体系・外観・装備内容が大きく異なる。
グレード体系は2018年5月時点で、「デイズ ルークス」は「S」と「X」の2グレード。「デイズ ルークス ハイウェイスター」は「ハイウェイスターX」・「ハイウェイスターXターボ」・「ハイウェイスターGターボ」の3グレードの計5グレードを設定する。なお、「ハイウェイスターX」には、6スピーカー、両側リモコンオートスライドドア、15インチアルミホイールを装備した「Gパッケージ」も設定される。また、前述のとおり、オーテックジャパン扱いのカスタムカー「ボレロ」や「ライダー」も用意。「ボレロ」は「X」、「ライダー」はハイウェイスター全車がベースとなっている。
また、装備内容に関しても細かな違いがある(以下は2018年5月改良モデルでの内容となる)。
ボディカラーは全14色(うち、「S」・「X」専用色3色、ハイウェイスター専用色2色、共通オプションカラー4色)が用意されている。eKスペースでは未設定となるプレミアムサンシャインオレンジ4コートメタリック、レモンライム(「S」・「X」専用色)が設定されているほか、オーシャンブルーパール(ハイウェイスター専用色)とスパークリングレッドメタリックも設定されている(eKスペースカスタムではライトニングブルーマイカとレッドメタリックに相当するが、いずれも2トーンカラーのみの設定で単色カラーの設定が無い)。さらに、ピンクゴールドメタリックはハイウェイスターでも、プレミアムパープルパール(オプションカラー)は「S」・「X」でも設定可能である(eKスペースではアンティークゴールドメタリック、パープリッシュネイビーパールに相当するが、アンティークゴールドメタリックはeKスペース専用色、パープリッシュネイビーパールはeKスペースカスタム専用色)。スカーレットメタリックはハイウェイスター専用色である(eKスペースではポピーレッドメタリックに相当するが標準モデル専用色)。また、チタニウムグレーメタリック、クールシルバーメタリック、ホワイトパール3コートパールを除いて、カラーラインナップはeKスペースと同一ながら、名称が異なる(例:ショコラブラウンパール→モカブラウンパール)。
2トーンカラーに関しては、ハイウェイスター・「ライダー」専用色のスパークリングレッドメタリック/ブラックパール 2トーン(eKスペースでのカスタム専用色レッドメタリック/ブラックマイカ相当)以外はeKスペースと異なるカラーバリエーションとなっており、エアグレーパールメタリック/レモンライム 2トーン(ハイウェイスター専用色)とアイスブルーチタニウムメタリック/ホワイト 2トーン(「S」・「X」専用色)が設定される。さらに、カスタムカー専用の2トーンカラーも設けられており、「ボレロ」にはアッシュブラウンメタリック/ピンクゴールドメタリック 2トーン、ホワイトパール3コートパール/ピンクゴールドメタリック 2トーン、プレミアムオリーブメタリック/アッシュブラウンメタリック 2トーンの3色、「ライダー」にはホワイトパール3コートパール/ブラックパール 2トーン(eKスペースでのカスタム専用色ホワイトパール/ブラックマイカ相当)、ブラックパール/スターリングシルバーメタリック 2トーン、オーシャンブルーパール/ブラックパール 2トーン(eKスペースでのカスタム専用色ライトニングブルーマイカ/ブラックマイカ相当)の3色が設定されている。